こんにちは、カルロス(@crls1031)です。
2020年に東京一小さな集落(22世帯)に移住しました。
自然豊かな土地で、周りにはBBQ場やグランピング場、マス釣り場などがあるところです。
とってもいい環境で移住者が1/3を占めておリますが、先住民の平均年齢は70歳以上(推定)。
既存の自治体制では立ち行かなくなるのは目に見えております。
そこで、集落一若い僕と移住者の先輩らで、体制を革新していくアイディアを協議しています。
現状のプロジェクトをまとめることで、頭を整理していきたいと思います。
テーマは「小さな自治」と「民営化」です。
Contents
東京のローカル集落の課題
僕が考えた課題は以下の3つです。
- 先住民の高齢化
- 自治体の非独立採算による存続性
- “氏子制度”と“自治体”の縦割りの管理体制
これはローカルな環境ならどこも共通する月並みな課題ですね。
① 先住民の高齢化
高齢化は言わすもがなですね。
残念なことですが、ここ数年連続して先住民の数が減っております。
毎度、お世話になってきた諸先輩方との別れは非常に悲しいです。
また先住民の子孫は、都市部に移住して生活基盤を作っており、多くは戻ってきてくる見込みはなさそうです。
② 自治体の非独立採算による存続性
また、集落は補助金待ちの自治体制になっていると感じております。
わずかな自治会費と形に合わせることで獲得できる補助金、そして有志によるボランティアによる統治体制です。
これで今後も継続的な自治体制を維持できるでしょうか・・・?!
これ、一個人で考えればなかなか難しい状況ですよね。
バイトでもして、なんとか稼いで生計を立ててくれ、というのが普通だと思います。
手をつけるべきなのに、手付かずの場所もあるので小さな変革は必要です。
③ “氏子制度”と“自治体”の縦割りの管理体制
また自治体は身近なので変革の議論が始まっております。
が、ほぼ先住民のみで構成された氏子制度の方では議論が進んでおりません。
(氏子制度:神社周りの整備をする制度)
大変なのは氏子周りですが、動きが見られません。
歴史的に政教分離が背景にあるんでしょうが、人口減少化の日本において、人的資本を多く必要とする体制は難しいと思います。
相対的に税負担の大きい若者世代にはそんなに地域活動にリソースを割く余裕がありませんしね。。。涙
東京のローカル集落の具体的な喫緊の問題点
以上が大きな課題でしたが、ここでは具体的な喫緊の問題点を2点上げます。
- 御神木の枝の落下リスク
- 住人減少による管理体制の維持
これらは早急に対処する必要があります。
① 御神木の枝の落下リスク
集落には実は、東京一の樹齢を誇る御神木があります。
今でも訪問する人がよくいますが、さらに打ち出し方を変えればすごいポテンシャルがあると思っています。
が、これほど大きな御神木には通常の木くらいの枝が多数存在します。
それが転落してくるリスクが常に付きまといます。
以前にも御神木の下にある自治会館に枝が転落し、建物を傷つけた過去があるそうでした。
この枝の剪定はマスト事項でしょうが、氏子制度が動く様子はありません。
落ちたら落ちたで補助金が出てそれで直せばいいとのことです。
自治体の財源を活用してでも取り組みたいとも思いますが、越境する活動は地域活動を歪めかねません。
難しい・・・
② 住人減少による管理体制の維持
神社へ続く道を村民のAさんとBさんがボランティアで管理されていました。
しかし、Aさんは先日に急逝され、Bさんは病状の悪化により、親族のもとに引っ越されてしまいました。
主要な2人が不在になった今、管理する人がいなくなってしまいました。
それをボランティアで回せばいいのかもしれませんが、ずっとボランティアで回し続ける体制も変えてもいいかもですよね。
東京のローカル集落の魅力
そんな課題や問題ばかり取り上げた場所ですが、めちゃくちゃ魅力的な場所です。
主要な3つは以下の通りです。
- 東京随一の観光資源 “五柱神社の御神木”
- 都心から程近い川、ヤギと触れ合える大自然
- 住人の1/3を占める若いたくさんの移住者
① 東京随一の観光資源 “五柱神社の御神木”
上記で何度も取り上げておりますが、御神木があります。
樹齢は200年以上、トトロの木のようなイメージです。
現状でも、これを目当てに歩いてくる方もいます。
が、よりブランティングに力を入れることでさらなる飛躍を遂げる可能性があると思っております。
② 都心から程近い川、ヤギと触れ合える大自然
BBQ場が周りにある自然豊かな環境です。
BBQ場周りの混んでる川とは違い、プライベートに上流の川を楽しめます。
また集落の有志でヤギを飼っており、触れ合うことも可能です。
③ 住人の1/3を占める若いたくさんの移住者
ウチの集落は先住民の方の懐が深く、移住者が多い環境となっています。
第一、僕みたいな人間を受け入れてくださっていることがその確たる証明になるでしょうw
オーガニックコスメの社長、カナダ人、林業従事者、布メーカーの社長などユニークな人ばかりです。
一つ隣の集落では移住者が1世帯だったりと、この集落の先進的姿勢が異常であることがわかります。
故によく地域新聞で取り上げられますね。
東京のローカル集落存続の解決策
そんな魅力が有り余る集落を、より良い方向に導くテーマとして、僕なりに2つ掲げました。
- 「小さな自治」
- 「独立採算制度を目指した民営化」
です。
① 小さな自治
まず、自治体を一本化します。
現代の人口減少社会では政教分離なんて言ってられないので、氏子制度を自治体に吸収合併することにします。
それで自治体の財源の一括管理とします。
自治体で神社も守り、必要な作業も分担していくことにします。
② 民営化
稼ぐ自治体を実現させていきます。
こんな本もありますからね。
自治体を株式会社のように捉え、健全経営をして独立採算を目指します。
現状考えている事業を3つ
- 自治会館の民泊化
- 耕作放棄地をドッグランへ
- 駐車場の整備
この事業の一つの柱を僕が担当し、責任を持って全うする所存であります。
自治会館を民泊化するメリット
ここからは自治会館を民泊化することについて話していきます。
民泊にすることで得られるメリットを主に3点です。
- 自治体の財源になりうる
- 今までボランティアで賄っていた清掃も仕事としてできる
- 大杉の剪定や林の間引きの必要性が増す
以下に一つずつ解説していきます。
① 自治体の財源になりうる
これが一番のメリットです。
利益なくして、組織の存続はあり得ません。
自治体で発生している諸問題に予算を組めれば、より豊かな活動ができることでしょう。
飲食など難しいビジネスではなく、宿泊業という参入しやすく、インバウンド需要が確実に見込める事業をするのは望ましいと思います。
② 今までボランティアで賄っていた清掃も仕事としてできる
掃除をボランティアでしないで済むようになります。
宿泊というビジネスには清掃はつきものです。
故に、清掃を担当してくれた方に清掃費をお支払いします。
時給1,500円程度で2-3時間、東京都の最低時給が1,000円台なので悪くない仕事です。
もし月に1組お客が入れば、月に1度の清掃を実施することになります。
建物を健全に保ちやすいシステムになりますし、お気持ちだけで動く体制から脱却できます。
きっと悪くないことでしょう。
③ 大杉の剪定や林の間引きの必要性が増す
ビジネスとして営業している以上、一定の清潔感を保つ必要が出ます。
今まで放置していた部分にも、喫緊にメスを入れる必要が出ます。
さらに、宿泊業で稼いだ資金をその活動に回せれば美しいシステムとなります。
このループがしっかり回れば、存続可能性が一気に高まることでしょう。
民営化、素晴らしい施策ですね!
自治会館を民泊化するデメリット
逆にデメリットを挙げてみます。
主なものはこの3つです。
- 人が常駐していないから何かあったら困る
- 変な人間がたくさん来たら困る
- 神社で派手なことをすることに不安がある
これは実際に村民から汲み取ったものです。
一つずつに僕なりの見解を述べていきます。
① 人が常駐していないから何かあったら困る
何かあった場合のために、緊急対応できる人間を当番で作ります。
これは民泊を運営する上で求められることなので、これを違反すれば運営もできなくなります。
基本僕が対応するつもりですが、僕が不在の場合には集落の方に頼んで対応していただけるように準備します。
一棟貸し宿などは人は常駐していませんが、運営されています。
故にしっかり準備すれば問題ないのではないでしょうか。
② 変な人間がたくさん来たら困る
確かに変な人間がたくさんくれば困ります。
(と、変な人間が解説しておりますw)
まず、価格を安くしないことにより、民度の低い客を排除することができます。
需要と供給を見極め、適正価格を設定し、僕らが招きたい客を明確にすることでその人らに情報を届けます。
ある程度は回避できることでしょう。
③ 神社で派手なことをすることに不安がある
これは変な人が来るリスクと同様に天秤だと思っています。
変な人がくるリスク、神社が派手に使われるリスクを許容できなければ民主化への道は難しくなります。
サスティナブルな健全経営のために、リスクをしっかりとり、バランスを見ながら運営していくことが大事でしょう。
これは住民としっかりと協議を重ね、合意形成をとっていくことを大切にします。
続:自治会館を民泊にする改築プラン
とここまで長くなりましたので、改築プランに関しては次のページに移ります。
そっちが建築屋としての本業ですからね!