こんにちは、カルロス(@crls1031)です。
今回、薪棚を壁にした倉庫小屋の建設をご相談いただきました。
見積もりを作る上で、材料を拾い出す必要があります。
その過程、及び設計図ををこの記事にまとめておきます。
既存の薪棚
既存の薪棚はこんな具合です。
50-60年前にオーナー(70歳)の父親がDIYで作られたようで、斜めに傾いてしまっています。
オーナーはこのままではまずいと思い、僕に作り直しを相談して頂きました。
薪棚の設計図
これから設計図を載せていきます。
完成図を美しく描けないので、各部位ごとの立面図を載せていきます。
1 基礎・土台
サイズは
- 縦:3,640mm(12尺・2間)
- 横:7,280mm(24尺、4間)
となります。
基礎・土台の図面です。
図のマークの説明です。
- ×:羽子板付きピンコロ
- ー:土台
- ⚪︎:羽子板ボルト
- ー:梁の金物
「3.6m × 7.2m」から外側に薪棚を作ります。
左右は910mm(3尺)、後ろは崖なので455mm(1尺半)の予定です。
薪の最大長さが400mmくらいなのだそうで、2列置けるように910、1列置けるように455としています。
今回躯体は90角の木材で作りますが、土台は防腐処理されたものを使います。
2 柱
柱の図面です。
図のマークの説明です。
- ×:90角
- ・:間柱
- ー:筋交
- ◻︎:柱の金物
1,820mm(6尺・1間)ごとに90角の木材で柱を建て、その間に910mm(3尺・半間)ごとに間柱を入れます。
通常の壁を作る時は455mmずつに下地を入れて3×6板(910mmm × 1,820mm)を張ります。
が、今回は薪棚なので910mm(3尺・半間)ずつにしています。
線の位置に筋交(45mm × 90mm)を入れて左右の揺れに対する強度を持たせます。
3 梁
梁の図面です。
図のマークの説明です。
- ー:90角
- ⚪︎:羽子板ボルト
- ◻︎:尺梁
倉庫内に柱を建てると邪魔なので、尺梁(105 × 300)を使って強度を出します。
まず中央縦に尺梁を通し、それに刻んで左右の尺梁を繋げます。
中央のクロスする部分は両サイドから引っ張るように羽子板ボルトを繋ぎます。
4 母屋
母屋の図面です。
図のマークの説明です。
- ー:90角
- ×:90角(小屋束)
薪棚に雨が当たりづらくすべく、棚より500mm大きく迫り出しています。
勾配は3寸を想定しており、小屋束の高さは
- 1列目:1,228mm
- 2列目:682mm
- 3列目:136mmm
となります。
屋根勾配に関してはこの図がわかりやすいです。
三寸勾配の角度は16.7度ということがわかりました。
三平方の計算は「角度と長さ」というアプリを使うととても楽にできます。
勾配の角度16.7度を入力し、最後列からの距離を入力していくと小屋束の高さが出てきます。
このアプリ、1度買い切りですが、よく現場で使うのでおすすめです。
5 屋根垂木
屋根垂木の図面です。
縦は間柱、横は垂木を使おうと想定しています。
縦も横も455mmピッチで下地を入れます。
薪棚の材料費
以上の図を参考に、材料を拾い出ししました。
青梅カインズの価格で、総額66.6万円となりました。
これでいい感じですね。
いいもの、作っていきましょー!
編集後記
いざ解体してみると想定より土地が小さく、オーナーの気分が変わり作らないことになりました・・・
解体してみたら土地が想定より狭くて延期となった!w 残念! pic.twitter.com/k6Uf3TImkd
— カルロス / 建築屋 (@crls1031) January 9, 2025
次作るときの参考にすばらしい記録として残しておきます!涙w